20xx年問題。あと何年働く?

 昨今、様々な20xx年問題というのがある。

 例えば、2030年問題。2030年には65歳以上の高齢者が人口の1/3以上を占めるといわれている。それにより、労働人口が644万人不足するなどの諸問題が生じ、社会保障の捻出がますます難しくなるとされる。

 例えば、2060年問題。この年、シンギュラリティー(技術的特異点)が起こるとされる。これは、あらゆる分野において、AIが人間を超越するとするものである。

  株、FX、不動産、印税、クラウドワークス、アフィリエイト、ユーチューバー、エトセトラ、稼ぐ手段は枚挙にいとまがない。しかし、こういった働き方も今の時代だからというだけで、20xx年にはこういう働き方すらも必要なくなるのではないだろうか。

 竹中氏がベーシックインカムについて提言したニュースも記憶に新しい。議論は白熱し、今だからこそ、必要と唱える人は多い。しかし、今だからなのだろうか。今だけでなく、これからなのではなかろうか。

  何年も前から10年後には今ある仕事の7割はなくなるといわれている。ただ、その発言から10年たっても結局はほとんどの人が働いている。また、なくなる仕事があっても、新しい仕事がどんどん台頭してくるから、結局仕事はなくならない。というような反論がされ、働かなくてもいい日は来ないのではとも思ってしまう。

 それでも、AIはその日を実現しうる力がある。近代革命以降、蒸気、内燃、電気そしてAIと4回目の産業革命を迎えていう。しかし、今までとは決定的に違う。なぜかというと、過去の3回は手や身体を補完し、楽をするための動力源だったのに対し、AIは人間の脳や仕事を置換するためのものだからだ。そして、その日というのが冒頭でも触れた2060年だ。働かねば収入はどうするのか、だなんて不毛な議論だ。それこそ、ベーシックインカム、あるいは、給付付き税額控除を導入すればよい。給付付き税額控除とはフルードマン博士が提唱した仕組みで、個人の所得ごとに給付と減税を組み合わせることで一定額を給付するというものだ。この手の議論で最大の問題となるのが、財源についてだがそれも問題もない。AIが財を創出するからだ。2060年には日本の人口は約8,600万になると予想されている。今のGDPを維持できれば国民一人当たりのGDPは1.4倍となる。むしろ、豊かになるかもしれない。

  老後2,000万円問題などと国民の不安を煽るようなことが叫ばれている。備えはあるに越したことはないが、それに踊らされて、人生が貯蓄するだけの無為な日々になってしまってはもったいない。FIREのため、老後のための資金を平均寿命から逆算して蓄えるのが普通だ。しかし、2060年がくるのなら、あと39年を耐える計算でもいいのだ。年金に依存するよりはAIというテクノロジーに依存する方がよっぽどいい。

実家暮らしは本当に独り暮らしより貯金できるのだろうか

 実家暮らしの一番のメリット、それは貯金が貯まるということである。さる記事内での調査を例にとってみる。実家暮らしと独り暮らしでの貯金額の調査。新卒1年目で約70万円、5年後で約320万円の差が出る。もちろん、実家暮らしのほうがより貯金できている。当たり前といえば当たり前だ。しかし、この調査結果はあくまで数字を定量的に積み上げただけであり、平均を均したものに依拠している。

 私は独り暮らしだが、この当たり前にはいささか懐疑的だ。いくつかの前提を変えると、この当たり前は簡単に逆転する。

前提1 家賃補助という制度

 月の出費の大部分を占めるのは家賃だ。東京でワンルームだと安くても7万円はかかってくる。地方でも5万円はすると考えてよい。初任給ベースでみると約1/3が家賃で消えてしまう。ただ、企業によっては福利厚生が充実しているところも多い。私の会社では月5,000円でワンルームを借りられる。相対的にみれば恵まれているほうだろうが、社宅や寮となると0円というケースも十分あるだろう。

前提2 家にいくら入れるのか

SUUMOジャーナルの調査によると実家暮らし社会人の約7割は家にお金を入れている。また、その平均は3万7414円だった。同質問を私の親にすると5万円入れるようにと言われた。平均額よくがっつく親であった。

二つの前提を踏まえて

 実家暮らしと独り暮らし、それぞれの月の出費を比較してみる。どちらの暮らしであっても、通信費、保険料、娯楽費には影響しないため、ここでは家賃、光熱費そして食費の3つに限って比較していく。

 私の場合先述の通り家賃は会社からの補助により5,000円。光熱費は約1万円、食費もあまり外食はしないため、1万円くらいだ。合計で2万5千円。私が実家暮らしをしていたとすると、5万円は家に入れていたので、独り暮らしをするよりも、実に2倍もかかっていたことになる。

 私のは1つのサンプルに過ぎない。前提をそのままに、家賃補助がなければ、もっと出費はかさむ。家に1円も入れずに実家暮らしをすれば給料分まるまる貯金するのも夢ではない。

 ただ、2つの前提を変えてしまえば、一人暮らしの方がコスパはいいのである。

モノとデジタルと時間を断った暮らし ~人間らしい生き方を目指して~

 断捨離を初めて一か月近くが経った。着ない洋服やキッチン周りの使わないものなど、少しずつ、でも確実に減らしてきた。そして、デスクやテーブルなどの大きな家具も断てた。部屋にあるのはベッドとソファとテレビくらいのものだ。かなり、片付いた。掃除も楽になった。食事は台所のちょっとした調理台で食べている。最初はどうなのかと思ったが、慣れるとなんてことない。むしろ、楽なくらいだ。食器を運ぶ手間が省けるのだから。食べたら、そのまま食器を洗えばよい。次に断てるものはあるだろうか。テレビだ。いきなり、テレビを断つのはハードルが高かった。とりあえず、コンセントを抜いた。見たかった番組はスマホで検索すれば出てくる。つまり、テレビは必要なかった。

 ・デジタルを断つ デジタルデトックスという概念

 デジタルデトックスとは一定期間デジタルデバイスとの距離を置くことだ。完全に断つわけではない。うまく付き合うという感じだろう。デトックスという言葉が強すぎるせいで毒や有害物を排出するようなニュアンスを感じるが、ストレスや疲労の軽減という目的からすれば、その言葉も遠からずといえる。人は24時間365日何らかのデジタルに触れて生きている。暇を持て余せばスマホを触る。中高生のスマホ使用時間に関する円グラフなど目にしたことがある読者も多いだろう。これはしばしばデジタル依存を示すデータの根拠として用いられる。依存せずには生きられない。しかし、決して依存することが悪いということではない。先ほども述べたが、うまく付き合うということが大事なのだ。たとえ、一時間でもよい。スマホの電源を切って引き出しの中に入れてみる。見ていないテレビは消す。これだけで、目や脳が疲れにくくなる。ストレスが減る。睡眠の質が上がる。心理的にもよい変化がある。ホルモン、心拍数、血圧など自然環境においては数値がよくなるという研究データがある。余談ではあるが呪術廻戦の五条悟が使用する領域展開無量空処、これは情報社会に対するストレスを風刺していると感じたのは私だけだろうか。デジタルとの付き合い方を見直してみてはどうだろうか。そして、スマホを一定時間断ってみて気づいたことがあった。

・時間を断つ タイムデトックスという概念

 タイムデトックス、この言葉が存在するかはわからない。`タイムデトックス‘で検索してみると、デトックスに適した時間という記事ばかり出てきた。なので、時間を断つという意味の造語である。スマホを断ち、時計も断つ。こうすることで今何時なのかわからなくなる。明るくなり起きた時が朝、お腹がすいた時が食事時、暗くなり眠くなった時が睡眠時。根源的で生物らしい生き方。もちろん自然環境で過ごすという点ではデジタルデトックスと同じような効果が得られると考える。これに関しては、私の感じ方であり、科学的な根拠があるわけではないのであしからず。

 モノを断ち、デジタルを断ち、時間を断ち。あと断つとすれば、お金の心配だろうか。その先には人間らしい豊かな暮らしが待っている。断つを知ることで足るを知る、そんな風に感じた。